スリランカ映画界の“クロサワ監督”とも称される、Dr.レスター・ジェームス・ピーリス(lester james peries)監督が、4月5日に95歳の誕生日を迎えられました。ご自宅で盛大なパーティが催され、国を代表する巨匠のセレモニーにラージャパクサ大統領もお祝いにかけつけました。 Dr.ピーリス監督の主な作品としては、『運命線』(The Line of Destiny)1956年、『変革の時代』(the Age of Kali)1982年、『日が沈むところ』(Where the Sun Sets)1994年、『湖畔の邸宅』(Mansion by the Lake)2002年、『ジャングルの村』(Baddegama – Village in the Jungle)(1980年)、『湖畔の邸宅』(Mansion by the Lake/WEKANDE WALAUWA)(2002年)他があります。
『ジャングルの村』は1982年に東京アジア映画祭で上映されて好評を博し、シンハラ文学研究者 野口忠司氏による字幕でNHKでも放映されましたので、ご覧になった方がいるかもしれません。Dr.ピーリス監督は、スリランカ映画界に新たな時代を築いた存在であり、イギリスを皮切りに、カンヌ国際映画祭やベネチア国際映画祭、インド映画祭などで注目され、世界的にスリランカ映画の評価を高めました。夫人のスミトラ・ピーリス監督(Sumithra Pieris/最初は編集者として映画に関わったが、後1978年に第1作目『少女たち』を発表しスリランカ初の女性監督となった)も、当日はDr.ピーリス監督に寄り添って仲良く来場者の方々の祝福を受けました。
日本では、(日本とスリランカ国交50周年」を記念して翌2003年に日本で「レスター・ジェームス・ピーリス監督とスリランカ映画特集」が催され、スリランカを代表する7作品*が上映されました。 *Dr.ピーリス監督の4作品(『運命線』『変革の時代』『日が沈むところ』『湖畔の邸宅』の他、夫人のスミトラ・ピーリス監督の『長女』(1993)、『マザー・アローン』(1997)、『蓮の道』(1987年 監督ティッサ・アベー・セーカラ)の7作品。 *詳細は、福岡市総合図書館映像ホール シネラ2003-4(No.84)が詳しい。 心よりお祝い申し上げます。
Dr.レスター・ジェームス・ピーリス(lester james perie)監督
【Profile・プロフィール】 1919年4月5日生まれ、スリランカ・コロンボ生まれ スリランカ映画の基礎を築いたパイオニアであり、スリランカ映画の第一人者。
11歳の時、父親からコダックの8ミリプロジェクターをプレゼントされ、初めてチャップリンの無声映画を見る。 the Times of Ceylonで編集記者をしたり、 劇場やラジオ局などで働く。1947年、母の助言で兄弟のいるイギリスへ渡る。 1949年から50年までに短編作品3本をつくり、スリランカ政府映画部のイギリス人ドキュメンタリー製作者ラルフ・キーンの助手としてスリランカヘ戻る。 1951年英国で、ミニシネマアマチュアや実験映画祭メーカー、最良の技術的能力を表示するための短編映画カップ受賞。
1956年に最初の長編「運命線」を製作し、1957年カンヌ国際映画祭で、パルムドール賞にノミネート。
1997年フランス政府よりコマンドール文化勲章(芸術部門)を授与される
2000年インドの第31回国際映画祭で特別功労賞を受賞
2003年、カンヌ国際映画祭で優れたフィルム製作キャリアに送られる「フェリーニゴールドメダル賞」を受賞
2007年、「スリランカLankabhimanya」スリランカの最高民事名誉を授与される(2007)etc.
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